子どもの成長
息子はもうすぐ5歳の誕生日を迎える。
もうほとんど手がかからない。最近は、育児というより私と息子の関わり方の問題と言う感じ。
赤ちゃんの頃は、私が与える100%、息子が受ける100%、世話する側世話される側が非常に明確だったけれど、今はもう人と人が一緒に暮らしているって感じ。
それが楽な部分でもあり、新たな問題の発生源でもあるのだけど。
この家のボスは私だと声を大きくして、息子を親という立場を駆使して思い通りに動かすことは避けたい。
しかし、守らなくてはならないルールや社会性を身に着けてもらうため、彼自身の自立のためには、親という立場を使って躾けることも必要だし。
難しい。
慌ただしい日々の中で、息子と対峙するには心身に余裕と力が必要で、そんなの残ってないしもうヤダ、全部ヤダって時も多くて、支配してはいけないと肝に銘じているのに、支配出来たらどんなに楽だろうと悪魔が囁くこともある。
息子のためというより、後が大変だから後で自分が大変だからと踏みとどまっているに過ぎない。
大好きなのに、ごめんねと思う。
いつも余裕がなくてごめんねと。
それにしても子どもってどんどんどんどん成長していくから、育児に慣れるってことがないというのは、物凄く疲れる。
いつも初心者の気持ち。
いつもこれでいいのかな?もっといい方法があるんじゃないかな?私はこの子に間違ったことをしていないかな?と悩みながら、孤独に悩みながら前に進んでいかなくてはいけない。
物凄くエネルギーがいる。
3か月前の息子と今の息子が当たり前だけど違う。
同じところもあるけど成長している部分があまりに多くて驚く。
毎日「すごい、こんなことがもうできるの!」と驚いている。まるで盆暮れ正月にだけ孫に会える祖父母のように新鮮に毎日驚いている。
そして「お母さんてさ、すぐ驚くよね。それバカっぽいからやめた方がいいよ」などと言われる。
確かに私はよく驚くから、あまり賢そうには見えない。
ふふふと笑う。
あなたの成長がどれほど素晴らしいか、私にこの世界を美しく見えるか知らないのねと思う。
子ども成長ははやい。
特に赤ちゃんの成長のスピードはとてもはやい。
一か月月齢が進むだけでできることがまるで違う。
だから育児がとてつもなく大変なだけど、それでも一人の人間の成長を間近でみていると、生命に対する畏怖の気持ちが湧いてくることがある。
命は素晴らしい、世界は美しい、森羅万象に感謝みたいな、狂人と紙一重みたいな命への賛歌が胸の内から湧いてくる瞬間が確かにあって、なんかすごい。
育児って大変だし、もう本当に大変だけど、めちゃくちゃ言葉にならない、クスリをきめたレベルの高揚感とか結構あるからね。
だってめちゃくちゃかわいいよ。
もうずっと約5年間毎日かわいいって心から思う。胸が苦しくなるくらいかわいい。
大好き。
まあ人それぞれだけど、子どもがいるのにたらたら仕事して、奥さんの愚痴とか言いながら不必要な残業して、育児丸投げにしてる同僚とかみてると、本当にそれでいいのかお前と思ってしまう。
仕事もあまりできるは言えず、家庭からも逃げ、残るものは?生きてる意味は?全部自分に返ってくるのに?とか考えないのかな。
考えるわけないか。
育児書は本当にたくさん読んだけれど、乳児期に一番参考にしたのは、 松田道夫『育児の百科』。岩波書店の内容説明もあつい。
育児という道の体験で日々不安に直面した多くの人々が本書によって導かれ、勇気づけられてた。開業医としての経験の蓄積と内外の最新の医学書に目を通して改訂を続けた不断の努力による本書は、単なるハウツー本ではない。最晩年まで社会的活動を著者の仕事の集大成であり、平易な言葉で書かれた思想の書である。(全3冊)